AIよるビジネス構造の変化

ビジネスの全体像を整理してみると、一般的な機器・装置・設備は、
入力となる「認識系」、出力となる「動力系」、出力をコントロールする「制御系」
の3つに機能を分けることができる。

例えば、エアコンは室温をセンサーが常に計測し、設定した温度より室温の変化を検知すれば（認識系）、マイコンと呼ばれる制御システムが指示を出し（制御系）、室内機・室外機間を冷媒により熱を移動させる（動作系）ことで、室温を一定に保つようにしている。

1980年以降、入力（認識系）においての出力（動作系）をいかに効率的に実現するかの製造メーカーが、ハードウェアを中心とした技術開発の競争の時代であった。
その後、1990年以降は、ハードウェアに多少の問題があったとしてもソフトウェアによって品質のバラツキを補い、コントロールできる（制御系）の開発競争へと製造メーカーとは別のソフトウェア企業が急拡大していった。例えば、マイクロソフト社のようにパソコン（ハードウェア）をOS（ソフトウェア）により様々な用途拡大を可能とした。

そして現代、インターネットの登場により、様々な装置がネットワークでつながることにより、ソフトウェア（制御系）からその先の利用者にある情報の蓄積・解析、およびサービスへと移行している。

例えば、航空機のジェット・エンジンを提供していたGE社は、エンジンにセンサーを取り付け、情報を蓄積、最適な燃料効率を得られるジェットエンジンの使い方を解析することで、航空機の最適な「フライトプラン」「メンテナンス」をソリューションとして、航空機メーカーの顧客であるエアライン（顧客の顧客）に、価値を提供できるようになった。

つまり、これからの社会のビジネスモデルは、顧客への提供価値が、従来の単なる製品
（ハードウェア）からサービスに移り、AIは、「制御系から得られた情報の蓄積から解析まで」を自動的に行うことができる。


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