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躍進する中国のAI活用 [AI とIT 関連]

中国は、2030年までにAIで世界をリードするとの目標を挙げて、
中国政府と社会全体が突き進んでいる。 
AIで世界をリードするためには、開発する人材と企業、活用する環境が
必要となるが、既にAI技術を支える基礎研究においては、
研究論文は2016年に中国約43万対して、
アメリカは約41万論文となっており、以下、インド、ドイツ、日本と続き、
コンピュータ科学分野で中国がトップになった。

また中国政府は、豊富な労働力と低賃金での製造手法から国家戦略として、
AI、IT、ロボット技術を活用し融合した産業へのシフトを推進している。

これは、学習データにあったSNSの文章にそうした内容が多く含まれていた
結果からである。

また、顔認証においては、ペイントされた眼鏡などのアクセサリーを身に着けることで、
顔認証の網を逃れられると米国のカーネギーメロン大学は、研究報告を発表している。

社会においては、中国の顔認証技術は、生活の中に急速に普及している。
例えば、顔認証による支払いが既に導入されている。
しかし、この情報が中国政府に渡れば、政府は監視システムに容易に活用することができる。
中国では、AIを活用した国民監視システムは、「天網」と呼ばれ、
街中のいたるところある監視カメラ(総数は、1億7000万台)が、
データを常に収集、人、車などの動き、犯罪データとの照合に活用されている。
例えば、交通規制や信号を無視する人を顔認証で特定し、
警察から本人に違反を確認したとの連絡が届くとのことである。

このような社会において、中国のIT企業テンセントが作った会話ボット BabyQは、
ユーザーからの「中国夢とは何?」との質問に、「アメリカに移民すること」と答え、
問題となったが、国・政府に支配された国民の真意ではないだろうか。

皮肉なことではあるが、
与えられた学習データに対してだけでなく、
それ以外のデータに対しても正しく予想できる能力を「汎化能力(generalization ability)」という、
つまりBabyQの回答は優れていることを証明している。





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参考書籍:AI入門講座  
著者:野口悠紀雄



タグ:中国 AI 顔認証
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ドル基軸通貨の特権 [お金と投資]

現状、米国が世界で一番優位なのは、自国通貨ドルを刷って相手国に渡せば、
いくらでも輸入ができるためである。
従って国単位での貿易赤字と経常収支の赤字を気にする必要がない。

米国以外の国は、輸入における決済・ドルの支払いのための外貨準備が必要であり、
世界193か国の外貨準備の合計金額は、12兆ドル(1320兆円)である。
2017年度の集計時点でのドル保有上位国は、
中国は3.1兆ドル(約341兆円)、
日本は1.2兆ドル(約132兆円)、
スイスが6800億ドル(約75兆円)、
サウジアラビアは5400憶ドル(約59兆円)

さらに世界のGDP(8000兆円)の約4%の成長率より、速い速度で増える世界貿易のため、
米国以外の外貨準備は毎年およそ1兆ドル(110兆円)も増えているので、
常にドル買いの超過になる。

米国の対外債務は2017年、34兆ドル(3740兆円)、同年の米国のGDPは19兆ドル
(2090兆円)、つまり対外債務は1.8倍である。
現在は世界金利が低く、ドルの長期金利も約3%と低いので、
米国の8兆ドルの純債務の利払いができているが、
この金利が数ポイント上がると米国はデフォルトする。
例えば、米国10年債の金利が5%に上がると、米国は対外的な利払いができなくなる。

一方、日本の問題は、GDPの2.4倍に膨らんだ1270兆円の政府負債であり、
このうち国債が1076兆円を占め、2013年4月から448兆円の国債を日銀が買って、
長期金利を0%に誘導し、低い金利の理由を維持している。
日本は、日銀が国債を買わなくなり、長期金利が2.5%に上がると財政破綻する。

仮想通貨の普及は、ドルの基軸通貨としての地位を脅かす最大の脅威であろう、
仮に決済手段に仮想通貨が利用されるようになると、ドルの需要は大幅に減り、
これまで市場を占めていたドル買いは、ドル売りに替わることとなり、
世界でのドルの価値は大幅に下落することとなるであろう。

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